【コラム】自己認識と自己統制

 

今日から新年度が始まりますね。入社式や新入社員研修、それから新卒採用面接と、目が回る忙しさだという方も多いのではないでしょうか。

さて今日のテーマはなんだか難しい言葉を並べてしまいました。
弊社の人材採用や管理職アセスメント、あるいは次世代幹部人選において重要視するのがこのコンピテンシーです。

「自己認識」とは簡単に言えば、他者(主に上司)の評価と自己評価を一致させることができるチカラです。

こう言うとそんなことは当たり前だろと思ってしまいますが、実際の職場には、どの上司の下にいても「自分は評価されていない」と嘆き、愚痴る人がいるものです。自分に甘く、自尊心の極めて高い人は、社会においてこうしたバランスを保てません。

この「自己認識」という能力は、入社後開発することが大変難しいと言われています。
元々ある資質、あるいは人間性に大きく依存するからです。

新入社員が社会に慣れるまでの数年間において、こうした状況になるのはある意味仕方のないことかもしれませんが、入社5年も経った一人前の社員が上司評価を受け入れられないようでは問題だと言えるでしょう。

もうひとつの「自己統制」ですが、これはとても難しいと言えます。

なぜならば、このチカラは「自分を理解したうえで職場や顧客接点において自分を律し、コントロールする」能力だからです。

いわゆる誰とでも仲良くする良い子ちゃんタイプとは違います。
意見の伝え方、聞き方、議論のまとめ方といった他者とのコミュニケーションをその場に合わせてきちんと対応するチカラです。
もちろん対人関係における熟練度も相当必要とされます。

これからの時代はこの能力の有無が大きな差別化になると思われます。
昨今の若者の社会性は劣化が激しいですし、面と向かった議論が苦手な人も多いものです。またいわゆる「キレる人」も増えています。

こうした能力はマネージャーになると必須要件として求められますが、なりたての頃はどうしても熱くなってしまって、自分をコントロールできずに苦しみます。

これからの時代はこの二つの能力を「自然にできる」ことが求められるようになるのではないか、と私は見ています。

「無理なく、自然に」振る舞えて、周りのスタッフを「安心させ」「チームをまとめて成果を出す」というリーダーが理想像です。

この予感は私が勉強させてもらった米国シリコンバレーのイメージから来ています。

実は弊社では「Non smoking policy」を打ち出しました。
喫煙という行動はストレスの発散をニコチンという害を吸うことでおこないます。少し無理があるかもしれませんが、喫煙者とはそうすることでバランスをとっている人であると表現してもいいかもしれません。

ご存知の通り、米国の一流企業では喫煙者が昇進することは極めて稀です。
肥満も同様です。それはこの「自己統制」の考え方から来ています。

ニコチンやカロリーさえ管理できない人は自分自身を管理、統制できない人であるという考え方です。

間もなく日本もそういう時代に突入するのではないでしょうか。
弊社のスタッフには、こういう時代を乗り越えて欲しいという想いから、この施策をはじめた次第です。

2013.4.1 樋口弘和

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